税理士の営業戦略完全ガイド:新規顧客獲得から関係構築まで

税理士業界では、従来の営業手法だけでは新規顧客獲得が困難になっています。デジタル化の進展や競合激化により、効果的な営業戦略の構築が急務となっている中、多くの税理士事務所が営業課題に直面しているのです。
本記事では、税理士が実践すべき営業手法からFAXDMの活用方法まで、成果を上げるための具体的な戦略を詳しく解説します。
税理士業界の営業課題と現状
税理士業界では、新規顧客の獲得が年々難しくなっています。
多くの事務所が同じような悩みを抱えており、従来の紹介だけでは成長に限界を感じているのが現状です。
さらに、若い経営者層はインターネットで税理士を探すケースが増えており、営業方法の転換が求められています。
税理士事務所が直面する営業の悩み
税理士事務所の多くは、営業活動に苦手意識を持っています。
専門的な税務の知識はあっても、それをどうやって顧客に伝えればいいか分からないという声をよく聞きます。特に、独立したばかりの税理士は、顧客ゼロからのスタートで不安を感じることが多いです。
また、既存顧客からの紹介に頼りきりで、新規開拓の方法が分からないケースも少なくありません。紹介は確かに信頼性が高いですが、紹介だけでは事務所の成長速度に限界があります。
さらに問題なのは、営業に時間を割けないことです。日々の税務処理や決算業務に追われ、営業活動は後回しになりがちです。結果として、顧客数が伸び悩み、収益も頭打ちになってしまいます。
営業スキルを学ぶ機会も少なく、多くの税理士が自己流で営業活動を行っているのが実情です。
デジタル化が進む顧客開拓の重要性
現代の経営者は、税理士を探す際にまずインターネットで検索します。
ホームページを持たない事務所や、SNSを活用していない事務所は、そもそも選択肢に入らないケースが増えています。特に30代、40代の経営者層は、オンラインでの情報収集が当たり前なのです。
デジタルツールを活用すれば、効率的に多くの見込み客にアプローチできます。例えば、メールマーケティングやWeb広告を使えば、従来の訪問営業の何倍もの人数に情報を届けられます。
デジタル化に対応できる税理士事務所は、地域を超えて顧客を獲得するチャンスです。
しかし、多くの税理士がデジタル営業に踏み出せずにいます。「難しそう」「時間がない」という理由で後回しにしていると、競合他社との差がどんどん広がってしまいます。
今こそ、デジタル化による営業革新が必要な時期なのです。
競合との差別化が求められる理由
税理士の数は全国で約8万人。顧客の奪い合いは年々激しくなっています。
料金だけで勝負しようとすると、価格競争に巻き込まれ、利益率が下がってしまいます。安さだけを売りにすると、サービスの質を保つことも困難です。
差別化のポイントは、自分の事務所にしかない強みを見つけることです。例えば、特定の業界に特化したり、相続や事業承継などの専門分野を持ったりすることで、ほかの事務所との違いを明確にできます。
顧客は「税理士」ではなく、「自分の課題を解決してくれる税理士」を求めているのです。飲食店専門、医療機関専門など、業界特化型の税理士事務所は顧客から選ばれやすい傾向があります。
また、対応スピードやコミュニケーションの取りやすさも差別化のポイントです。レスポンスが早い、説明が分かりやすい、親身になって相談に乗ってくれるなど、人間性での差別化も重要です。
競合との違いを明確にすることで、価格以外の価値を提供できるようになります。
効果的な税理士営業の基本戦略
営業活動を成功させるには、まず基本となる戦略をしっかり立てることが大切です。
行き当たりばったりの営業では、時間と労力を無駄にしてしまいます。
ターゲットを明確にし、営業プロセスを整理して、効率的に成果を上げていきましょう。
ターゲット顧客の明確化
「誰でもいいから顧客になってほしい」という考えでは、営業はうまくいきません。
まず、自分の事務所がどんな顧客にもっとも価値を提供できるか考えましょう。例えば、創業間もない企業、成長期の中小企業、相続対策が必要な資産家など、ターゲットを絞ることが重要です。
【ターゲットを決める際のポイント】
| 項目 | 確認内容 |
| 業種 | 製造業、サービス業、IT企業など |
| 規模 | 従業員数、年商の規模 |
| 地域 | 対応可能なエリア |
| 課題 | 節税、資金調達、事業承継など |
ターゲットが決まれば、その顧客が抱える悩みや課題も見えてきます。飲食店なら原価管理や人件費の悩み、IT企業なら研究開発費の税務処理など、業界特有の課題があります。
また、ターゲット顧客がよく使うメディアや情報源も把握しましょう。業界紙を読んでいるのか、SNSで情報収集しているのかによって、アプローチ方法も変わってきます。
ターゲットを明確にすることで、無駄な営業活動を減らし、成約率を高めることができます。
営業プロセスの体系化
営業活動を場当たり的に行うのではなく、プロセスとして体系化することが成功への近道です。
一般的な営業プロセスは以下の流れになります。
1.見込み客の発掘
- リストの作成
- 情報収集
2.初回アプローチ
- 電話、メール、FAXDMなど
- 興味を引く内容の準備
3.面談・ヒアリング
- 課題の把握
- 信頼関係の構築
4.提案・プレゼンテーション
- 解決策の提示
- 料金説明
5.クロージング
- 契約締結
- アフターフォロー
各段階で何をすべきか明確にして、営業の質を安定させましょう。また、どの段階で失注しているか分析できるため、改善点も見つけやすくなります。
プロセスを体系化すれば、新人スタッフでも一定レベルの営業活動ができるようになります。属人化を防ぎ、事務所全体の営業力を向上させましょう。
税理士営業で活用すべき手法とツール
時代とともに営業手法も変化しています。
従来の方法にこだわらず、新しい手法やツールを積極的に取り入れることで、営業効率は大幅に向上します。
デジタルとアナログ、両方のよさを生かした営業活動を展開しましょう。
従来型営業手法の見直し
訪問営業や電話営業といった従来の手法も、やり方次第でまだまだ効果を発揮します。
ただし、昔と同じやり方では通用しません。例えば、アポなし訪問は嫌がられることが多く、効率も悪いです。事前にメールやFAXで情報提供し、興味を持ってもらってから訪問するほうが効果的です。
電話営業も工夫が必要です。いきなり売り込むのではなく、まず相手の課題を聞き出すことから始めましょう。「最近の税制改正でお困りのことはありませんか」など、相手にメリットのある話題から入ることが大切です。
セミナー営業も有効な手法です。
- 無料の税務セミナーを開催
- 参加者との個別相談の機会を設ける
- セミナー後のフォローアップを徹底
紹介営業も見直しが必要です。ただ待つのではなく、積極的に紹介をお願いする仕組みをつくりましょう。紹介特典を用意したり、紹介しやすい資料を準備したりすることで、紹介数を増やすことができます。
従来の手法も、現代のニーズに合わせてアレンジすることで、十分な成果を上げることができます。
デジタル営業ツールの活用
デジタルツールを使えば、少ない労力で多くの見込み客にアプローチできます。
まず取り組むべきは、ホームページの充実です。事務所の強みや実績、料金体系を分かりやすく掲載しましょう。ブログで税務情報を発信すれば、検索エンジンからの流入も期待できます。
営業支援ツール(CRM)の活用も重要です。
| ツールの種類 | 活用方法 | メリット |
| 顧客管理システム | 顧客情報の一元管理 | 対応漏れ防止 |
| メール配信システム | 定期的な情報提供 | 関係性の維持 |
| Web会議ツール | オンライン相談 | 遠方顧客の獲得 |
| SNS | 情報発信・交流 | 認知度向上 |
特にメールマーケティングは費用対効果が高い手法です。税制改正の情報や節税のヒントなど、役立つ情報を定期的に配信することで、見込み客との関係を築けます。
SNSも無料で始められる強力なツールです。LinkedInやFacebookで専門的な情報を発信すれば、経営者層とつながるチャンスが生まれます。
デジタルツールは一度仕組みをつくれば、自動的に営業活動を続けてくれます。最初は大変かもしれませんが、長期的に見れば大きな資産になります。
FAXDM営業で税理士が成果を上げる方法
FAXDMは、税理士営業において効果的な手法です。
デジタル全盛の時代だからこそ、アナログなFAXが目立ち、高い開封率を実現できるのです。
正しい方法で実施すれば、低コストで多くの見込み客を獲得できる強力な営業ツールになります。
FAXDMの特徴とメリット
FAXDMは、企業の代表番号に直接届くため、決裁者の目に触れる可能性が高いという特徴があります。
メールと違って迷惑メールフォルダに入ることもなく、必ず一度は目を通してもらえるのです。特に中小企業の経営者は、FAXで届いた書類を確認する習慣がまだ残っています。
【FAXDMの主なメリット】
- 即効性がある:送信後すぐに反応が得られる
- コストが安い:1件あたり数円から送信可能
- ターゲティングしやすい:業種や地域で絞り込み可能
- 反応率が測定しやすい:問い合わせ数で効果が分かる
また、FAXDMは許可を取る必要がないため、新規開拓に適しています。ただし、受信拒否の申し出があった場合は、速やかにリストから削除しましょう。
デジタルマーケティングが苦手な税理士でも、FAXDMなら比較的簡単に始められます。原稿を作って送信するだけなので、特別な技術は必要ありません。
税理士向けFAXDMの作成ポイント
FAXDMで成果を上げるには、読んでもらえる原稿作りがもっとも重要です。
まず、キャッチコピーで興味を引きましょう。「税金を年間100万円削減した事例」「知らないと損する新しい税制優遇」など、具体的なメリットを訴求します。
【効果的なFAXDM原稿の構成】
1.目を引くヘッドライン
- 具体的な数字を入れる
- 緊急性や限定性を演出
2.問題提起
- 読み手の悩みに共感
- 「こんなことでお困りではありませんか?」
3.解決策の提示
- 自社サービスの特徴
- 他社との違い
4.実績・事例
- 具体的な成功事例
- お客様の声
5.行動を促すオファー
- 無料相談の案内
- 期間限定の特典
文字の大きさも重要です。FAXは画質が落ちるため、小さい文字は読みづらくなります。重要な部分は大きく、太字で強調しましょう。
また、イラストや図表を使って視覚的に訴えることも効果的です。ただし、真っ黒になるような濃い画像は避け、線画程度にとどめましょう。
配信タイミングと頻度の最適化
FAXDMは、送るタイミングによって反応率が大きく変わります。
【もっとも効果的な配信時間帯】
| 曜日 | 時間帯 | 理由 |
| 火曜~木曜 | 10時~11時 | 朝礼後で確認されやすい |
| 火曜~木曜 | 14時~15時 | 昼休み明けで目に留まる |
| 金曜 | 避ける | 週末で見落とされやすい |
| 月曜 | 避ける | 週明けで忙しい |
配信頻度は、月1~2回程度が適切です。あまり頻繁に送ると、迷惑がられて受信拒否される可能性が高まります。
また、時期も重要です。決算期前や税制改正時など、税理士のニーズが高まるタイミングを狙いましょう。例えば、12月は年末調整、2~3月は確定申告で需要が高まります。
同じリストに送る場合は、内容を変えることが大切です。毎回同じ内容では、「またか」と思われて読まれなくなります。季節の税務トピックスや、新しいサービスの案内など、変化をつけましょう。
テスト配信も忘れずに行います。少数のリストで反応を見て、効果の高い原稿に改良してから本番配信することで、成果を最大化できます。
税理士の営業成果を最大化するための実践テクニック
営業の基本を押さえたら、次は実践的なテクニックで成約率を高めましょう。
細かい工夫の積み重ねが、大きな成果の違いを生み出します。
初回面談から長期的な関係構築まで、各段階でのポイントを押さえることが重要です。
初回面談での印象づくり
初回面談の印象で、契約の可否はほぼ決まります。
まず大切なのは、時間を守ることです。5分前には到着し、身だしなみを整えてから訪問しましょう。第一印象は、服装や表情、声のトーンで決まります。
面談では、まず相手の話をじっくり聞くことから始めます。自分の事務所の説明は後回しにして、相手の悩みや課題を引き出すことに集中しましょう。
【効果的な質問例】
- 「現在の税理士さんに不満な点はありますか?」
- 「今後の事業展開で心配なことは?」
- 「税務で一番お困りのことは何ですか?」
相手が話している間は、メモを取りながら真剣に聞く姿勢を見せます。適度に相づちを打ち、共感の言葉をかけることで、信頼関係が生まれます。
専門用語は避け、分かりやすい言葉で説明することも重要です。「損金算入」ではなく「経費として認められる」など、相手のレベルに合わせた表現を心がけましょう。
最後に、次回のアクションを明確にして面談を終えます。「提案書を○日までにお送りします」など、具体的な約束をすることで、関係が続きやすくなります。
提案書作成のコツ
提案書は、契約を決める重要な営業ツールです。
まず、相手の課題を整理して記載します。「御社の課題」として箇条書きにすることで、「この税理士は自分たちのことを理解してくれている」と感じてもらえます。
【提案書に含めるべき要素】
1.表紙
- 相手の会社名を大きく
- 提案日付と有効期限
2.課題の整理
- ヒアリングで聞いた内容
- 優先順位をつけて記載
3.解決策の提示
- 具体的なサービス内容
- 実施スケジュール
4.料金体系
- 分かりやすい料金表
- オプションサービスも明記
5.事例・実績
- 類似業種の成功事例
- 具体的な数字で効果を示す
視覚的に分かりやすくするため、図表やグラフを活用しましょう。文字ばかりの提案書は読まれません。重要なポイントは色を変えたり、枠で囲んだりして強調します。
料金は、松竹梅の3プランを用意すると選びやすくなります。多くの人は真ん中のプランを選ぶ傾向があるため、売りたいプランを竹にするとよいでしょう。
長期的な顧客関係の構築方法
契約後も油断は禁物です。長期的な関係を築くことで、安定した収益基盤ができます。
定期的なコミュニケーションが関係維持の鍵です。月次の訪問や報告だけでなく、税制改正の情報提供や、経営に役立つ情報をタイムリーに届けましょう。
【関係構築のための施策】
●定期的な情報提供
ニュースレターの発行
税務トピックスのメール配信
●記念日のフォロー
創業記念日のお祝いメッセージ
年末年始の挨拶
●付加価値サービス
経営相談への対応
ほかの専門家の紹介
●クレーム対応
迅速で誠実な対応
改善策の提示
顧客満足度を定期的に確認することも大切です。年に1回はアンケートを実施し、不満な点がないか確認しましょう。小さな不満も放置すると、解約につながる可能性があります。
また、顧客の成長に合わせてサービスを拡充することも重要です。事業が拡大したら、より高度な税務サービスを提案するなど、顧客と一緒に成長する姿勢を示しましょう。
税理士の営業 よくある質問(FAQ)
税理士の営業活動について、多くの方から寄せられる質問にお答えします。
実際の現場で役立つ具体的なアドバイスを交えて解説していきます。
これらの回答を参考に、自分の事務所に合った営業スタイルを見つけてください。
Q1: 税理士の営業活動でもっとも効果的な手法は何ですか?
もっとも効果的な手法は、事務所の強みとターゲット顧客によって変わります。
ただし、多くの成功事例を見ると、複数の手法を組み合わせることが重要だと分かります。例えば、FAXDMで興味を持ってもらい、セミナーで信頼関係を築き、個別相談で契約につなげるという流れです。
即効性を求めるならFAXDMや電話営業が効果的です。一方、長期的な信頼関係を築きたいなら、セミナーやメールマガジンでの情報提供が適しています。
【効果的な組み合わせパターン】
- FAXDM → 無料相談:新規開拓に最適
- セミナー → 個別面談:信頼構築に効果的
- Web集客 → メール育成:若い経営者層向け
大切なのは、どの手法を選んでも継続することです。1~2回試して効果がないと諦めるのではなく、最低でも6カ月は続けて改善を重ねることで、成果が見えてきます。
また、効果測定を必ず行いましょう。どの手法から何件の問い合わせがあり、何件が成約したか記録することで、最適な手法が見つかります。
Q2: FAXDMとほかの営業手法はどのように使い分けるべきですか?
FAXDMは新規開拓の入口として使い、その後は顧客の反応に応じてほかの手法に切り替えていきます。
FAXDMの役割は、まず認知してもらうことです。いきなり契約を取ろうとするのではなく、無料相談や資料請求など、ハードルの低いオファーで反応を得ることを目指しましょう。
【使い分けの具体例】
| 段階 | 適した手法 | 目的 |
| 認知 | FAXDM、Web広告 | 存在を知ってもらう |
| 興味 | メール、ブログ | 情報提供で関心を高める |
| 検討 | セミナー、個別相談 | 信頼関係の構築 |
| 契約 | 対面営業、提案書 | クロージング |
| 継続 | 定期訪問、メール | 関係維持 |
FAXDMで反応があった見込み客には、すぐに電話でフォローすることが重要です。「FAXを見て興味を持ちました」という問い合わせは熱が冷めやすいので、24時間以内の対応を心がけましょう。
一方、じっくり検討したいタイプの顧客には、メールマガジンで定期的に情報提供し、信頼関係を築いてから面談に進むほうが効果的です。
顧客のタイプと状況に応じて、最適な手法を選択することが成功への近道です。
Q3: 営業活動にかける時間とコストの目安はどの程度でしょうか?
一般的に、売上の5~10%を営業・マーケティング費用に充てることが推奨されています。
時間については、週の20~30%を営業活動に使うことを目標にしましょう。毎日1~2時間でも、継続すれば大きな成果につながります。
【予算配分の目安】
- FAXDM費用:月2万~5万円(1,000件配信の場合)
- セミナー開催費:1回5万~10万円(会場費含む)
- Web関連費用:月3万~10万円(広告費、ツール代)
- 営業ツール作成:初期投資10万~30万円
【時間配分の例(週40時間の場合)】
- 見込み客リサーチ:2時間
- アプローチ活動:4時間
- 面談・商談:3時間
- フォローアップ:2時間
- 営業戦略の見直し:1時間
最初は少額から始めて、効果を見ながら徐々に投資を増やしていくのが賢明です。例えば、FAXDMなら100件から始めて、反応率を確認してから本格的に展開するという具合です。
重要なのは、営業活動を「コスト」ではなく「投資」と考えることです。適切な営業投資は、必ず収益となって返ってきます。
利用者の声
実際に営業手法を改善して成果を上げた税理士事務所の事例をご紹介します。
それぞれの事務所が抱えていた課題と、どのように解決したかを詳しく見ていきましょう。
これらの成功事例から、自分の事務所に生かせるヒントが見つかるはずです。
税理士法人A様の導入事例
東京都内で20年以上営業している税理士法人A様は、新規顧客の獲得に悩んでいました。
既存顧客からの紹介だけでは成長が頭打ちになり、新しい営業手法を模索していたそうです。そこで導入したのが、FAXDMとWebマーケティングの組み合わせでした。
まず、製造業に特化したFAXDMを月2回、各500件配信することから始めました。「製造業の税務に詳しい税理士」というポジションを明確にし、業界特有の税務問題を解決する内容を訴求しました。
結果、3カ月で15件の問い合わせがあり、そのうち5件が新規契約につながりました。特に効果的だったのは、「製造業向け税務セミナー」の案内をFAXDMで送ったことです。
並行してホームページもリニューアルし、製造業の成功事例を多数掲載しました。SEO対策も実施し、「製造業 税理士」で検索上位を獲得。Web経由の問い合わせも月10件程度入るようになりました。
「最初は半信半疑でしたが、ターゲットを絞ることで、こんなに反応が変わるとは思いませんでした」と代表の方は語っています。
現在では、年間30件以上の新規契約を獲得しており、事務所の売上は導入前の1.5倍に成長しています。
個人税理士事務所B様の成功体験
独立して3年目の個人税理士B様は、顧客ゼロからのスタートでした。
最初は知り合いへの営業や異業種交流会への参加を続けていましたが、なかなか成果が出ず、月の売上が50万円を超えない状態が続いていました。
転機となったのは、FAXDMを使った地域密着型の営業戦略でした。事務所から半径5km以内の中小企業1,000社をリストアップし、「地域No.1の親身な税理士」というコンセプトで営業を開始しました。
FAXDMの内容も工夫しました。「同じ地域の経営者様へ」という親近感のある書き出しで、地元の商工会議所での無料相談会の案内を中心に配信。地域貢献をアピールすることで、好感度の高い反応を得ることができました。
配信後の電話フォローも徹底しました。「FAXをお送りした地元の税理士です」と名乗ることで、警戒心を解いてもらいやすくなったそうです。
6カ月間の取り組みで、20社の新規顧客を獲得。月次顧問料だけで150万円を超えるようになりました。「1人でも効率的に営業できるFAXDMは、個人事務所の強い味方です」とB様は話しています。
現在は、既存顧客の紹介とFAXDMを組み合わせて、安定的に新規顧客を獲得し続けています。
会計事務所C様の活用方法
従業員15名の会計事務所C様は、営業部門を持たない典型的な事務所でした。
全員が実務担当者で、営業は所長が一人で行っていましたが、限界を感じていました。そこで、FAXDMを中心とした仕組み化された営業システムを構築することにしました。
まず、スタッフ全員で営業について学ぶ研修を実施。その後、FAXDMの原稿作成から配信、フォローまでの流れを全員で分担する体制を作りました。
特徴的だったのは、業種別に5種類のFAXDM原稿を用意したことです。
- 飲食店向け(原価管理のポイント)
- 建設業向け(工事案件の税務処理)
- IT企業向け(研究開発税制の活用)
- 医療機関向け(医療法人化のメリット)
- 小売業向け(在庫管理と節税)
各スタッフが得意分野を担当し、問い合わせがあれば、その分野に詳しいスタッフが対応する仕組みにしました。これにより、専門性の高い提案ができるようになりました。
月間2,000件のFAXDM配信で、平均40件の問い合わせを獲得。成約率も30%と高水準を維持しています。「全員で営業に取り組むことで、事務所全体の意識が変わりました」と所長は振り返ります。
売上は2年で2倍に成長し、新たに営業専任スタッフを2名採用するまでに成長しています。
まとめ
税理士が営業で成功するためには、従来の手法に加えてFAXDMなどのデジタルツールを効果的に組み合わせることが重要です。ターゲットを明確にし、体系的な営業プロセスを構築することで、持続的な成果を得ることができます。




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